親知らずを抜いた話
親知らずを抜きました。
ありえん痛い
治療中に
麻酔の力すげーとか
布を顔に覆われてる上に目まで瞑ってるのにライトの光がすげーとか
嫌な音した後にやってくる血の味がすげーとか
色々あった気がするが
そんなことは関係ない
ただ麻酔が解かれたことによって訪れた「痛い」という事実が襲いかかる。
現在は頬を冷やす対応を取っているが翌日からは寧ろ冷やすなという指示を受けている。
たった1日で冷却が不要になるほど痛みが治まるとは思えないが...
イタイ…タスケテ
こんな状況下でありながら人類は食を取らなければならない
己の心を痛めつけ己の体を救わなければならないのだ
だが固形物を口に入れようものならもれなく痛みが食を、生命活動を拒むこととなる。
渋々私はゼリー飲料を購入し口にすることを決めた。
ゼリー飲料は創部への接触を最低限のものとし、体内へと取り入れられていく。
その事実に私は安堵していた
はずだったが
ゼリー飲料と共に流れ込んでくる己の「血」
私が吸血鬼ならどれほど喜んだだろうか
だが私は人間、今現在人としての生命活動を行うべく食事を取っているはずだが、その真っ最中に人外の喜ぶ行為をされても何も嬉しくない、困るのである。
どないしろと
終